2017/03/03

白い時間


透明水彩絵の具を使うので、水張りをすることが増えた。
水張りとは、紙の性質(水を吸うと伸びて、乾くと縮む)を利用した手法で、木製パネルにあらかじめ紙を貼り留めておくことによって、描いた絵が歪まずに済むというもの。

私の水張りデビューは遅く、大学1年のとき。友人の見よう見まねでやってみるものの、パネルの角っこに変なスジが入ってしまうことがしばしばだった。乾いてしまえば、もう元には戻らない。あーあ。水が蒸発してしまう前の、時間との勝負…!といつもピリピリして作業していました。つい最近まで。
どうやら紙を濡らしたあとそのまま放置しておくのがコツらしい、ということを知ってからは、作業する時間がすこし楽しくなりました。
終わって、紙のピンと張られた真っ白なパネルがいくつも並ぶのを見ると、晴れやかな気持ちになる。なんだろう、洗濯物を干したときの気分に似ている気がする。

個展まで、残り一ヶ月となりました。
いよいよ大詰め。
ほんとは洗濯バサミとか描いてる場合じゃないんだけれど。